季節は廻り、それぞれの役割の中で生きている。

出会いも、別れも大切にしたい。

そんな言葉が浮かんできます。

絵本のどのページからも絵画的な美しさが印象的です。

灰色のローザの・ミールの羽根・アンナの髪・セーターの網目など細かく描かれています。

アンナの家が静かな森の中で、自然の中で季節を感じていることも伝わってきます。

そんな風景やローザとミールとアンナの語りに、心が引き寄せられます。

言葉にできない淋しさ

そして、言葉にしなくても伝わる淋しさがあるという黙ったまま、見送る後ろ姿に、淋しさとローザに対するお別れや応援しているであろうと感じます。

別れと再会が季節と共に繰り返されると感じた絵本です。

文:マイケル・J・ローゼン

絵:ソーニャ・ダノウスキ

訳:蜂飼耳

くもん出版

野菜や花や果物の成長過程が分かる

この絵本は大判です。

その中に沢山の野菜と花が育っていきます。

おじいちゃんが畑の世話をお孫と一緒にしながらお孫さんに伝えているのは野菜の作り方だけではないと思いました。

そしてページをめくると、季節によって畑に育つ野菜や果物の変化を感じることができます。

そして、何よりもおじいちゃんとお孫さんが楽しそうに話しながら、世話している過程が微笑ましいです。

ところで、この話すという事に意外な報告があります。

何かというと、野菜を栽培するときストレスをかけるという方法があるそうです。

例えば水やりを制限するとトマトが甘くなるとかです。

それで、ブランド化したトマトを知っています。

でも私は、やはり自然に育った野菜を食べたいと思います。

これは思い込みか?(笑)

それはともかくとして、野菜や花に話かけると、

話している方もなんかほっこりして、野菜が、花が答えてくれているようで嬉しくなります。

この絵本で汗かいて土を耕し、成長を楽しんだ若い頃を思い出しました。

何だかまた、畑作りたいと思ってしまいます。

野菜や花や果物の成長過程が分かる絵本です。

ジャンヌ・ブベール作

富山房

親にとって子どもは一生の宝物です。

親の愛情は人でも動物でも偉大です。

そんな事を感じさせてくれる絵本です。

クマのパパとママは、子グマが寝る前に「お休み、世界で一番可愛い子グマ達」といっていました。

これは、第3者引用といって人を納得さすために有効な手段です。

しかしある日、子グマ達はパパとママは誰が一番可愛いのか知りたくなりました。

子グマの疑問にパパはママの言葉を借りて、ママはパパの言葉をかりて子グマに愛情をつたえます。

愛情は偉大です。

でも言葉にして伝えないと伝わりません。

沢山の愛情表現を言葉にして伝えていきたいです。

言葉で愛情表現したいと思った絵本です

パパとママのたからもの

文:サム・マクブラットニィ

絵:アニタ・ジェラーム

訳:小川仁央

児童図書館・絵本の部屋

 

ナンターラって何?

表紙の絵の表現が

ゾウが耳を左右に広げて寝そべっていて、山のような大きな背中がまんまるです。

そして顔の真ん中に赤い傘が立っています。

片目はハッキリ見ていて、もう片目は小さなゾウの目で何とも愛らしさを感じて手に取ってみました。

ページを開いて行くとナンターラの意味がわかりました。

何かわからないのでナンターラです。

そうするとゾウの周りはナンターラだらけ?になっちゃいそうですが、そこは絵本です。

何だか分からないナンターラの事を考え色々な工夫をしたりしますが、どうもピッタリ合いません。

小さな子供がおもちゃで遊ぶ時、最初は遊び方が分からないものです。

そして、目で見る・触って見る・口に入れて確かめてみる・投げてみるなどの行動が見られます。

生まれて、こんな遊びの中で思考錯誤ってすることを自然に学んできたんだなぁ~と考えてしまいました。

 

最後に表紙の裏の様々な模様の傘が可愛い。

今日の雨にはこのお傘にしよう!

考えるだけでワクワク気分になります。

ふしぎなナンターラ

作:イルソナ

訳:小島希里

北村教育図書

雨の不思議

じょあじょあってなあに?

雨が勢いよく振る様子を表す韓国の言葉と表紙の裏に説明がありました。

なので、作家さんは韓国の方です。

裏表紙の裏には作家さんの紹介がありました。

雨が降る日、ちゃぷちゃぷと水たまりを踏んで歩いたり、窓の外を眺めながら雨の音を聞いたりするのが好きだと書かれていました。

色々な雨の音(道路や屋根や傘等に降るそそぐ音)・雨が排水溝に流れる音・そして雨の中の風の感じがまるで雨のシンフォニーのように感じてしまいます。

この梅雨の時期だからこそ感じて欲しいと思いながら紹介させていただきます。

この絵本の雨をつかもうとしても、ただ手のひらが濡れるだけという表現が好きです。

雨はどうして降るのかという疑問を絵と言葉でわかりやすく解説してくれています。

雨の中で裸足で両手を広げ身体全体で喜びを表現している女の子がいます。

その女の子が、ちゃぷちゃぷと水たまりを踏んで歩いたりしている絵が作者のイ・ミエさんだと思ってしまいます。

 

そして子ども達の小さかった頃、よく傘を壊して帰ってきたことを思い出しました。

傘は濡れないようにするもの

と認識できるまでは

豊かな発想で色々な用途として使っていたであろうわが子たちが愛おしい

雨の魅力を改めて感じたし、雨の不思議も理解できました。

あめじょあじょあ

文:イ・ミエ

絵:田島征三

訳:おおたけきよみ

明日天気になあれ~

昨日沢山振った雨。今日も雨かと思いきや曇り空です。

ふと手にしたこの絵本は十五夜なのにお月様がいません。

それどころか、外はあれあれ雨です。

てるてる坊主が役に立ちませんでした。

お兄ちゃんは作ったてるてる坊主に顔を書いて涙もかかました。

お兄ちゃんと妹の願いが叶わない涙のように感じます。

そのてるてる坊主を助っ人(?)が現れて、なんと雨雲のお掃除をしてくれるのです。

この発想が流石絵本作家さんだなぁ~

せなけいこ先生の世界観が素敵だと思います。

2021年の十五夜は9月21日です。

どうぞ、お月様が出てくれますように

涙のてるてる坊主の心も朝には晴れそうです。

明日天気になあれ~

 

作・絵:せなけいこ

金の星社

やっぱり我が家が一番と思った絵本

子どもにかける言葉のナンバーワンの言葉だったのでは?

と問いかけずにはいられません。

歯を磨きなさい
宿題済んだ?
猫にエサやった。

ああ、嫌だ嫌だ

これは、ウーが言われている言葉です。

ウーは小さなオバケです。

そこでウーは家出を決心します。

親に言われることはうるさく感じることもあります。

ウーは、その口うるさいから解放されたかったのです💖

ウーは思い切って外へ出ました。

そして外へ出るとお化けの本領を発揮します。
誰かに会うたびに

「お化けだぞ!」

と。

しかし、みんな面白ろがってくれても怖がってくれません。

そんな時、犬に吠えられ逃げ込んだ家で飛んだ災難に合ってしまうのです。

ウーは家に帰れるのか?

とっても可愛い👻のウー

大人って口うるさいよね。

逃げたくなるよね。

でも、家出して分かることもあるよね。

と声掛けしたくなります。

可愛いおばけのウーでした。

やっぱり我が家が一番と思った絵本です。

おばけのウー
作:アナ・マルティン・ララニャガ
訳:森山京
小学館

ウソスギ君は嘘が大好きな男の子です。

毎日毎日嘘をついています。

カバンに泥がついているとか、危ない犬が襲ってくるとかです。

でも私だったら先生が悪口言っていたよは聞き流せないな?

相当落ち込んでしまいます。

ウソスギ君は嘘が悪い事だと思っていないんです。

それどころか「信じる方が悪い」とか「想像力のある証拠」だとか言っているのです。

ちょっと頭に来そうです。

で,おじいちゃんが「地獄ワラシ」がくると脅しをかけるのですが、そんな脅しには乗りません。

ところが

本当に現れたのです。

地獄ワラシが・・・

そして何と嘘地獄に連れて行かれたのです。

その世界は「嘘をつけ 嘘は楽しいな けけけけけ」

そうそう

この笑い声の表現が沢山あってついつい大きな声になってしまいます。

嘘をつきだしと、その嘘を隠す為に嘘をつくことになります。

そして、段々膨れてきます。

嘘にも、面白半分や困らせたいと思うことや苦し紛れてなど色々あります。

そして、嘘をつくつもりはないのに、気が付けば嘘をついていることもあります。

必要な嘘もあると思いますが、それが潜在意識からきている考えたことはありますか?

そして、生活習慣の基礎は幼児期です。

大人も子どもも沢山の絵本に出会うことで、潜在意識によいことをインストールして欲しいです。

この絵本の表現とか発想楽しいです。

じごくわらしががくるぞ
作:塚本やすし
(株)マイクロマガジン社

人の振り見て我が振り直せ

👤  👫 👮

うん うん わかる~

あった あった 私にも

と思いながら笑っちゃいました。

(⌒∇⌒)   (^▽^)/

ディジーでなくっても人の事はよく分かるものです。

だめだめ、ディジー鼻をほじくっちゃ

だって、ママだって!

ナンシーの家に行くときやってたよ。

🐽  👉  👃

え?

そしてママは、だって と言い訳します。

また、長靴で家に入ることなんてないですよね。

👟 👢  👡

でもその日はたまたまだったんです。きっと

しかしディジーは見ていたのです。

👀 👁 👀

そして、ママはディジーが家の中で長靴を履いている所を見ます。

で、ついつい言ってしまうのです。

だめだめ、ディジーってね(・∀・)ニヤニヤ

すると、ディジーはだってママだって!

だって、とママの一言です。

こんなやり取りの繰り返しです。

ママは子供の良くない行動は直したいと思いますよね。

人の事は分かりますが、意外と自分が同じ行動をしているとは思ってないのです。

しかも、そのことを指摘されると、腹が立って怒ってしまうか、認めることができません。

何故なら本当の自分を知る事が怖いのです。    (この理由を知りたい方は絵本未来講師講座へ)

という訳で、子どもに言っていることって実は自分に言わなければならない事です。

日本のことわざにありますよね。

人の振り見て我が振り直せです。

作: ケス・グレイ
絵: ニック・シャラット
訳: よしがみ きょうた
出版社: 小峰書店

おとうさんトラはパパトラ

お母さんトラはママトラ

子どもはコトラ

と可愛いネーミングです。

トラの世界ではパパトラは自分の縄張りを守りながら、家族と離れて暮らします。

🐅     🐅     🐅

そして、いつも家族を見守ってくれています。

動物界は役割分担がしっかり守られていますね。

そして、若い雄のトラは一人で子孫繁栄のためにメスを探しています。

そんな雄がママトラを見つけます。

♂  ♀

所がママトラにコトラがいることが分かると、まずターゲットはコトラに絞って突進しました。

あぶない!とパパトラが走ってきます。

コトラの運命は?

トラの生体がわかります。

🐅  🐅  🐅

縄張りを守るのも愛

家族を守るののも愛

敵と戦うのも愛

色んな愛の表現があると感じた絵本です。

パパトラ

文:平田昌広

絵:きたむらゆういち

アリス館